日本有数の大都市である名古屋市は「観光名所が少ない」とよく聞きます。2018年度の「都市ブランドイメージ調査」では全国8都市中「訪れたくない都市」1位という結果もあるほど。しかし、最近、名古屋に注目のエリアがあります。名古屋市西区にある『四間道(しけみち)・円頓寺エリア』です。

遡って1610年。徳川家康は「清州城」から引っ越すため「名古屋城」を築城し、同時に清州の街まるごと引っ越す「清州越し」を決行。その起点が清州の五条橋を現在の場所に移設し、周辺につくったまちが今の「四間道・円頓寺商店街」界隈です。つまり、名古屋城築城とともに始まった清須越にともなってつくられた商人町なのです。

寺社仏閣や、老舗の和菓子屋や、古民家や蔵が並ぶまちなみなど、歴史の面影や痕跡がふんだんにあります。一帯は「四間道街並み保存地区」にも指定され、古民家が集積する美しいまちなみには、昔ながらのお店から、感度の高い飲食店や雑貨、カフェなどが集まる「一大美食タウン」になってきました。

2023年1月の週末、そんな『四間道・円頓寺エリア』にご縁を頂き、都市型自動運転船「海床ロボット」を名古屋城のお膝元である『四間道・円頓寺エリア』を流れる「堀川」に浮かべて、美食と水上空間を堪能しようという「美味しい社会実験」を開催しました。

3メートル四方の床が「堀川」で自動運転。

「円頓寺商店街を面白く・賑やかに!」という熱き想いを持つ田尾大介理事長と「名古屋からスタートアップを!」というパワフルな名古屋市役所の皆様と協業しながら、意義ある実証ができました。

「海床ロボット」にとっては初めての川での実証実験です。さらに初めての雨天。初めての一般募集お客さまを乗せた運転。初めてづくしの実験で、トラブルもありましたが沢山の学びを得て「海床ロボットプロジェクトチーム」もワンランク成長できました。

実験の様子。通りすがりの市民の皆さんにもお声がけいただきました。

現在、名古屋のシンボル・名古屋城では天守の木造復元事業を進めています。

「名古屋城」のお堀と『円頓寺・四間道エリア』を、堀川から「海床ロボット」で行き来して、遊覧しながら美食を堪能できたら最高ですね!と地元や市役所の皆様と「妄想」に意気投合しました。

この「妄想」をどうやって温めて「実現」に繋げていけるか、乞うご期待でございます。伸びしろしかないまち、『円頓寺・四間道エリア』の各種まちづくりに今後もご注目ください!