大阪府のベッドタウンのひとつである茨木市では、高度成長期に整備されたさまざまな公共施設などのストックの更新時期がきています。また、まちなかでは自動車渋滞や自転車の適切な利用促進、歩行者の交通利便性が課題です。
その中で2023年に子育て機能など既存公共施設を集約した複合施設「おにクル」が完成しました。 この施設への関わりをきっかけとして、周辺のまちづくりに公民が連携して取り組んでいます。
市民を巻き込む取り組み「ストリートデザイン社会実験」
「おにクル」のプロポーザル時、付加価値提案とされていた周辺のストリートデザイン計画を契機に、茨木市役所と「おにクル」の間にある道路を廃道し、歩行者に開放することになりました。
市役所前線基本計等策定業務での2度の社会実験を通じて、人流測定やアクティビティ調査などにより、人の流れと滞留の実態を踏まえたデザイン検討が実施されました。
市民が、まちなかで大切にしたいことや実現したい「10の茨木まちなかスタイル」
さらに、茨木市のまちなかで各種政策を束ねる「人中心のまちなか戦略」の検討業務が進行しています。その中で市民がまちなかで大切にしたいことや実現したいことについて、過去の市民アンケートから抽出して「10 のまちなかスタイル」としてまとめられました。今後のまちなかづくりの各場面のテーマとして活用されていく予定です。
茨木市の方向性を可視化する「コンセプトブックの発行」
そんな「10のまちなかスタイル」を広く知ってもらうためにコンセプトブックも作成されています。茨木市民の現在のまちなかへの関わり度合いに応じて10通りのまちなかスタイルを絵本のように読み進めることができます。
茨木市が進めるまちなか戦略の意図するところを理解しつつ、市民ひとりひとりがなにかをはじめたくなる冊子となるように編集されています。
茨木市のまちなか戦略が描く未来
新たにオープンした緑豊かな「おにクル」(1パーク)を中心に東西に位置するJR茨木駅と阪急茨木市駅(2コア)を一体的なまちなかと捉え、東西軸(モール)で接続することでさらに歩きやすく魅力的にするまちづくりが進行中です。既存ストックの更新や活用を進めながら、それぞれの場で起きる変化を”点”で終わらせることなく、”線”で繋ぎ、まち全体に”面”として波及させることで、様々な活動にとって相乗効果のあるまちづくりが期待されています。