市民が公園を使いこなすためのプロジェクト
昨今、公園を魅力的な空間にするために、行政と民間事業者が連携し、公園を整備・管理する事例が全国各地で増えています。
また、市民や民間事業者からの利用ニーズが多様化する一方で、公共の場である公園の使用制限は厳しく、柔軟な公園の使いこなしには課題も見られます。
2022年に株式会社PARKFULと株式会社竹中工務店は、公園利用者の使い方に合わせて可変する「フレキシブルな公園施設をつくる」というビジョンのもと、可変型公園施設『PLOT®』(プロット)の企画開発を行いました。

可変型公園施設『PLOT』とは
『PLOT』は、ミニマムな可変型公園施設。小さな「点」から公園全体を最大限に使いこなし、多様なアクティビティの基点となることを目指しています。

施設の骨組みとなるモジュールをベースとして、Furniture(家具)やAttachment(機器)など、パーツを組み合わせることを基本的な構成としていますが、特定のデザインは決まっておらず設置場所にあわせて検討を行います。

公園内のどこに設置するか。どのように使いたいか。
さまざまな利用者のニーズに合わせて、デザインや機能は変化します。
公共空間にプロット(PLOT)された小さな「点」が基点となり、公園全体を最大限に使いこなすきっかけになります。
『PLOT』のデザインで描く公園の未来
『PLOT』は、世界中でまだどこの公園でも実装に至っておらず、実現に向けて検討を進めている状況です。
『PLOT』の考え方や利用イメージをまとめたコンセプトブックを作成しており、その中から3つのコンセプトをご紹介します。

3つのコンセプトが示すように、『PLOT』が目指すのは物質的な空間整備だけでなく、人々が日常的に集い、心地よく過ごすことができるプレイスメイキングです。
時代を超えて使われるための公園施設の可変性
公園は子どもからお年寄りまでが訪れる多様性の象徴のような場です。『PLOT』は使う人によって、時代によって変化するさまざまなニーズに応えるために「可変性」を持たせることを考えています。
これから『PLOT』にどのような「可変性」を持たせるのか、みなさんにお知らせすべく、次回は『PLOT』の初期構想として考えた利用シーンをご紹介します。
Text:タカス / ニシマツ