少子高齢化、過疎化が進む島根県雲南市は、「小規模・多機能自治」を掲げて、子ども、若者、大人、企業がそれぞれの立ち位置で課題を解決し、挑戦の連鎖が地域の生態系になっていく「雲南ソーシャルチャレンジバレー」に取り組んでいます。

地域と企業が協働して社会実装する「企業チャレンジ」

雲南市が目指す「5方よし」とは①市民よし②雲南市よし③参画企業よし④未来の参画企業よし⑤日本と世界の他地域よし

その中の「企業チャレンジ」は、地域内外の民間企業が雲南市を舞台に地域と協働しながら社会課題解決や新たな価値創造のため、様々なチャレンジを行い、“5方良し”な社会実装まで目指す試みです。

竹中工務店・ヤマハ発動機・ヒトカラメディアは、官民の新しい連携を通じて社会課題を解決していく「企業チャレンジ」に関わっています。

竹中工務店が取り組む「健築®プロジェクト」

笑顔を測定する機会を日常的に作り、健康リスクを低減

竹中工務店は、「健築®」※で蓄積してきたノウハウを活用して、地域自治組織でソーシャルにかかわるデータを通じて、健康向上を目指します。

例えば「笑顔」の定量化は健康サロンでの笑顔指数の評価など、情報だけでとどまらない方法で高齢化社会を見守ります。

※健築®:人から始まり、人と寄り添う建築・まちづくりを通じて、一人ひとりが持っている可能性を最大限発揮し、誰もが幸せを感じ、これを高めていける社会を目指す活動。

ヤマハ発動機が取り組む「低速モビリティ活用」

最高時速20km未満で走行するヤマハ発動機の電動車両

ヤハマ発動機は、雲南市木次町の市街地で低速モビリティによる実証運行を実施しました。低速モビリティは、360度視野で開放的な構造をもち、最高時速20km未満で走行する電動車両です。高齢者の移動時の笑顔を計測して、健康状態も検証しました。

ヒトカラメディアが取り組む「サテライトオフィス構想」

三新塔地区内の空き家を活用したまちのワーキングスペース「オトナリ」が2020年にオープン

ヒトカラメディアは、雲南市三新塔地区内の空き家を活用したプロジェクトについて、ワークショップなどで地元住民と対話を重ね、シェアオフィス・チャレンジキッチン・宿泊を備えたコミュニティスペースをプロデュースして、「オトナリ」が誕生しました。地元住民の「ちょっとしてみたい」を応援する場所として遊休施設が蘇り、ここに集う人と人とのつながりがチャレンジの連鎖を生んでいます。